2007/03/31(Sat) 18:02 [permlink]
4年半ほど前、僕はNGOでの北部のインターンに参加するためにウガンダに出発した。圧倒的な情報不足。唯一満足できるガイドブックだった、Lonely Planetを隅々まで読んだ。そして、そこでMustと評されていたペーパーバックを現地で買った。それがこの映画の原作、Giles Foden著 "The Last King of Scotland"。
で、映画。
『ラストキング・オブ・スコットランド』


ウィッテカーの演技は確かに素晴らしい。懐かしいウガンダ訛りにのせて、ユーモラスであり、軍人らしい大口とリーダーシップを備え、しかしこれ以上ないパラノイアに陥った指導者アミンの凄みと孤独が窺い知れた。
ウガンダの首都カンパラで映画が撮影されたのは初めてのことらしい。メインストリート、郊外の風景、(入ったことないけど)政府系の建物、全てが懐かしく、自分が乗り合いタクシー(日本のハイエースに、タテ5列ぐらいのシート詰め込んである)で走り回ってた頃を思い出す。この映画がウガンダ以外の場所で撮られていたら(設備のないウガンダで撮るのははっきりいってナンセンス)、それはとてつもない違和感を僕に与えて、それこそウィッテカーの演技を見つめるどころではなかったのではないか。リアリティを追求するために、ロケーションが大事であろう事は想像に難くない。
ストーリーは、スコットランド出身の医師の卵が"something differrent"を求め、アフリカにやってくる。しかし、そこではエキサイティングでもない日常があった。ふとしたきっかけで大統領アミンの主治医となる彼は、知らず知らずのうちにアミン、そして政府に強い影響力を持つようになる。一方でアミンの夫人との密通があり、最終的には国外逃亡を図る。
懐かしいウガンダの街やアクセントを味わうのと同時に、主人公と自分を重ね合わせて、興味本位なキャリア選択をしてないか自問した。
映画そのものも緊迫感がありよい出来だと思うが、映画うんぬんよりもむしろ、個人的に、キャリアへの姿勢、真剣さを問われる映画。
で、映画。
『ラストキング・オブ・スコットランド』


ウィッテカーの演技は確かに素晴らしい。懐かしいウガンダ訛りにのせて、ユーモラスであり、軍人らしい大口とリーダーシップを備え、しかしこれ以上ないパラノイアに陥った指導者アミンの凄みと孤独が窺い知れた。
ウガンダの首都カンパラで映画が撮影されたのは初めてのことらしい。メインストリート、郊外の風景、(入ったことないけど)政府系の建物、全てが懐かしく、自分が乗り合いタクシー(日本のハイエースに、タテ5列ぐらいのシート詰め込んである)で走り回ってた頃を思い出す。この映画がウガンダ以外の場所で撮られていたら(設備のないウガンダで撮るのははっきりいってナンセンス)、それはとてつもない違和感を僕に与えて、それこそウィッテカーの演技を見つめるどころではなかったのではないか。リアリティを追求するために、ロケーションが大事であろう事は想像に難くない。
ストーリーは、スコットランド出身の医師の卵が"something differrent"を求め、アフリカにやってくる。しかし、そこではエキサイティングでもない日常があった。ふとしたきっかけで大統領アミンの主治医となる彼は、知らず知らずのうちにアミン、そして政府に強い影響力を持つようになる。一方でアミンの夫人との密通があり、最終的には国外逃亡を図る。
懐かしいウガンダの街やアクセントを味わうのと同時に、主人公と自分を重ね合わせて、興味本位なキャリア選択をしてないか自問した。
映画そのものも緊迫感がありよい出来だと思うが、映画うんぬんよりもむしろ、個人的に、キャリアへの姿勢、真剣さを問われる映画。
2007/03/31(Sat) 16:32 [permlink]

『ヴァイブレータ』
リバイバルで上映されているのを母の勧めで観にいく。
“彼を食べて、彼に食べられた。それだけのことだった。たヾ、あたしは自分がいいものになった気がした”
という、最後の心の台詞の通りの映画。心の声に悩まされる女がコンビニで出会ったトラック運転手に頼み、新潟までの道のりをトラックの中で他愛もない話をしながら、彼を食べ、彼に食べられ、そして東京に戻ってくる。そして、心の声が不思議と収まっているのに気づく。
圧巻はホテルでの入浴シーンで、「おかあさん」という心の声が出てくるところ。そこにそんな心の台詞が入る理屈は全くない。理屈で書いてない、でも分かるというフィーリング。これきっと女性でなければ絶対描けないなと思った。原作は、赤坂真理の小説。早速購入した。
寺島しのぶ、の傷つきやすそうで、孤独そうで、危うい感じが大変に魅力的。大森南朋はもっとヤサぐれた感じでもよいと思うんだけど、やっぱ悪びれてるけど、根っからやさしくて、中途半端な感じがいいんだろう。
ほとんどトラックにいて、二人がしょうもない話するだけの映画といえばそうなんだけど、それでも値打ちのある大変よい映画。あと、音楽がとてもよかった。
2007/03/27(Tue) 00:37 [permlink]
宇宙飛行士向井千秋さんの旦那さん、万起男さんが見つめた女房が宇宙に行くまでの軌跡。
宇宙飛行士というのは、宇宙に行く直前の映像、行ってる時ぐらいしか普通は目にしないけれども、こんな色んな訓練を、こんな色々な人たちに支えられて成り立つ仕事なのだなあというのがよく分かる。
NASAの家族というものについての考え方が面白い。彼らはミッションを完璧に果たすことが求められる。世界中の科学者が宇宙で肩癖に行って欲しい実験を提案し、それをこなすことが求められている。そのようなプレッシャーに負けずに、きっちりミッションを果たすために、訓練は勿論何度も慎重に、緻密に行われるが、それ以上に充実した家族との時間、関係があってこその仕事というスタンスが貫かれている。
クセがある人の、クセのある文章なので読み物として生理的にキライな人もいるかも。でもまあ面白い。
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宇宙飛行士というのは、宇宙に行く直前の映像、行ってる時ぐらいしか普通は目にしないけれども、こんな色んな訓練を、こんな色々な人たちに支えられて成り立つ仕事なのだなあというのがよく分かる。
NASAの家族というものについての考え方が面白い。彼らはミッションを完璧に果たすことが求められる。世界中の科学者が宇宙で肩癖に行って欲しい実験を提案し、それをこなすことが求められている。そのようなプレッシャーに負けずに、きっちりミッションを果たすために、訓練は勿論何度も慎重に、緻密に行われるが、それ以上に充実した家族との時間、関係があってこその仕事というスタンスが貫かれている。
クセがある人の、クセのある文章なので読み物として生理的にキライな人もいるかも。でもまあ面白い。
2007/03/19(Mon) 00:49 [permlink]
医学部での座学は、基礎医学(原理的な話)→臨床医学(経験知の集積)の順で勉強します。基礎の方は、まず正常なカラダの仕組み、形態を学び、その後それをベースに正常でないものを学んでいきます。
なんと、正常なのはこの半年でとりあえず終わったのです(゜O゜)
次の半年はほとんどひたすら「正常でない状態」についての学問、病理学。
臨床の橋渡しになる、大事な科目でっす。
で、ちゃんと予習しようというわけで、
臓器別の後半2/3は授業始まってからということにして、前半の総論だけ読みました。授業でポイントを人から聞いてないことって強弱のつけ方が分からんから勉強しにくい。
なんと、正常なのはこの半年でとりあえず終わったのです(゜O゜)
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臓器別の後半2/3は授業始まってからということにして、前半の総論だけ読みました。授業でポイントを人から聞いてないことって強弱のつけ方が分からんから勉強しにくい。
2007/03/15(Thu) 00:27 [permlink]

「さくらん」<http://www.sakuran-themovie.com/>
昨日に続き、また吉原の話。遊郭に売られた少女が、きらびやかな世界で、最高の遊女である花魁となるまでの話。
蜷川実花×安野モヨコ×タナダユキ(知りませんでした)×土屋アンナ×椎名林檎
Talentedな女性による、若き才能の競演。 って感じ?
蜷川実花の色彩は好きで、よく壁紙カレンダーを使っているのだけれど、その見惚れる、鮮やかな色の使い方はやはり随所にあり。思わず見入るシーンは幾度となくありんす。
蜷川実花って立ち位置がソフィア・コッポラに被る気がしていて、映画初監督の作品といは言え、「どうせ才能あるし」とか、根拠なく期待していったけれど、その期待は裏切られることなく、美しく、活き活きとした女性が、極彩色で描かれていて、楽しかった。
渡辺淳一の作品が、どちらかというと男性目線で、(テーマが最終的には病気と献体だからしょうがないけれど)陰惨な吉原での、まあ惨めな遊女の顛末にスポットが当たっていたのに対して、この作品は、女性目線で、今で言うところの、まあトップアイドルに上り詰めた女性のサクセスストーリーを描いたもので、吉原をカッコイイ女達がしのぎを削る最高に煌びやかな舞台として描いてる。まあ、というより、味わうべきはストーリーよりも映像美、土屋アンナのあどけなさ&艶っぽさ、椎名林檎♪っていう映画かなぁ。一番格好いいのは夏木マリ、とも思う(笑)。
独特の言い回し(廓、手練手管etc)をちょっと予習した方が楽しめる。
2007/03/14(Wed) 01:42 [permlink]
| 白き旅立ち (1979年) | |
![]() | 渡辺 淳一 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本の医学史上において、志望解剖の第一号となった、吉原の美幾という遊女の物語。(美幾が埋葬された墓のある寺)
家の貧しさから、廓に入ることになったのは16歳の頃。以来年季が明けるまでの10年、そしてその後しばらくの間を吉原で過ごす。客の一人の化学者(というか変わり者)宇都宮鉱之新の影響で、腑分け、すなわち志望解剖をすることになる。
医者出身の渡辺淳一が自らの系統解剖の体験や、つい最近まで習授業を受けていた教授の解剖に立ち会う際に感じた医師の世界の「異様さ」を思い返すところから始まる。その流れで、ノンフィクションのような気持ちで読んでしまって、途中で戸惑った。江戸末期の遊女の記録が詳細に残っているわけはない。
献体を受け、実際に解剖をする機会を当時の医師がいかに切望していたかが丁寧に描かれている。自分達がいかに恵まれているかを感じるとともに、このようにご遺体を提供しようと考えて下さる方の存在のありがたさを痛感した。
2007/03/08(Thu) 22:49 [permlink]

気になっていた「リトル・ミス・サンシャイン」が、まだ東京でならやっていたので劇場へ。
末娘をミスコンテストに出場させるためにキャラも、気持ちもバラバラな一家がアラバマからカリフォルニアへ向かうロードムービー。
「負け組みとか勝ち組とかどうでもよくない?」「本当の負け組は、そもそもトライしない者」といったことが主題だと思う。脚本家がシュワルッツネッガーの「この世に嫌いなものがあるとしたらそれは"負け犬"だ」という言葉にインスパイアされたというから、大概それでいいんでしょう。
てんでバラバラな家族がどのタイミングでこう修復に向かうのかなぁと思ってみていた。そろそろかな?と思うと、また事件勃発、旅は難航。このテンポがとても良い。周到に練られた映画だと思います。
家族はいがみ合いつつも、やはり出発する時はみんなでおんぼろワーゲンを押して、発進するのはなんとも微笑ましくて、終始にやにやして観てしまった。
2007/03/08(Thu) 00:23 [permlink]
| 小僧の神様・城の崎にて | |
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阿川弘之さんの解説によれば、夏目漱石の門下で志賀直哉を大変評価している人が二人いたそうで、一人は芥川龍之介、もう一人は和辻哲郎である。二人が舌を巻いたのは、志賀直哉の簡潔で精緻な描写力だった。漱石評では「思うままに書くからだろう」ということらしい。
この短編集で、最も楽しめたのは「流行感冒」。
子供の健康に過剰に気を使う親が、流行り病を家に持ち込まぬよう、女中が芝居を見に行くことを禁じる。女中は嘘をついて行く。行っていないと言い張る女中を信じるか、信じないか、半信半疑で、気をもむ主人。
女中の嘘に、ものすごく腹を立てたかと思うと、娘を献身的に可愛がる様を見て厚い信頼を寄せていたりする。この気持ちがあっちゃこっちゃに行く様が面白いぐらい、よく描かれている。
センセーショナルな題材は特になくて、ごく短い作品が多いのに、それでいて、ふふって微笑んで印象に残る、心憎い作品が多い。情景と情感を捉えるワザを見せ付けられる感じ。
小説を書くために生まれてきた人というのはこういう人のことなんだろうななどと思っていると、「丁度」自分の乗った電車も安土のあたりを過ぎる頃で、そんな偶然も心憎い、と面白かった。
2007/03/04(Sun) 21:50 [permlink]

城崎 posted by (C)tttttttt
城崎の

足湯 posted by (C)tttttttt
足湯の

かえる posted by (C)tttttttt
カエルと

カニ posted by (C)tttttttt
カニ。
城崎は良い場所でした。
2007/03/02(Fri) 22:26 [permlink]
ナチスによる陰惨な過去、アウシュビッツその他の強制収容所での経験を精神科医、V.フランクルが綴った著名な作品。
200ページほどのうち、最初の70ページはどこどこの収容所で、どのような人間がどのような残虐を行ったのか、その歴史に割かれている。後は訳者による写真などの資料。
本編。フランクルは、収容所に入れられた平均的人間の1)収容直後、2)しばらくしてから、3)解放後をそれぞれ精神医学の観点から記述する。
・かくも悲惨な環境におかれ生命を維持すること、すなわち食べること以外のことは無価値となる。
・目の前でいかなる暴力が行われていようと、一切のことに対する無関心と無気力が蔓延する。そしてそれは心の防御壁である。
・いかに過酷な労働においても、愛する人を想起するだけで心が充足される。
・繊細な人間は、図太い人間よりもよく生き抜いた。それは、これまでの精神活動に蓄積によって、内的世界に逃れる術を知っていたため。
・これほど陰惨な状況にあっても、人間の精神の自由(すなわち自分の最後のパンを与えるといったこと)はそこに厳然と存在した。
といったような記述が心に残った。(手元にないので記憶に頼る。)
座右に置き、困難に立ち向かった時、再び手に取りたいと思う。それは、これほどの苦難と自分が向き合う困難を比較するためではなくて、その中で希望を持ち続け、良心の失わなかった人間の精神の力を再認識するため。とてもよい本だった。
ダルフールは現代の強制収容所みたいな状況なのか。こういう無知が悲惨を加速させるのかな。
| 夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録 | |
![]() | V.E.フランクル 霜山 徳爾 みすず書房 1985-01 売り上げランキング : 24974 おすすめ平均 ![]() 歴史の暗闇 過去の出来事ではない 人間の本質だと思う 書評:表紙を、5秒眺めて網膜に歴史を刻め。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
200ページほどのうち、最初の70ページはどこどこの収容所で、どのような人間がどのような残虐を行ったのか、その歴史に割かれている。後は訳者による写真などの資料。
本編。フランクルは、収容所に入れられた平均的人間の1)収容直後、2)しばらくしてから、3)解放後をそれぞれ精神医学の観点から記述する。
・かくも悲惨な環境におかれ生命を維持すること、すなわち食べること以外のことは無価値となる。
・目の前でいかなる暴力が行われていようと、一切のことに対する無関心と無気力が蔓延する。そしてそれは心の防御壁である。
・いかに過酷な労働においても、愛する人を想起するだけで心が充足される。
・繊細な人間は、図太い人間よりもよく生き抜いた。それは、これまでの精神活動に蓄積によって、内的世界に逃れる術を知っていたため。
・これほど陰惨な状況にあっても、人間の精神の自由(すなわち自分の最後のパンを与えるといったこと)はそこに厳然と存在した。
といったような記述が心に残った。(手元にないので記憶に頼る。)
座右に置き、困難に立ち向かった時、再び手に取りたいと思う。それは、これほどの苦難と自分が向き合う困難を比較するためではなくて、その中で希望を持ち続け、良心の失わなかった人間の精神の力を再認識するため。とてもよい本だった。
ダルフールは現代の強制収容所みたいな状況なのか。こういう無知が悲惨を加速させるのかな。









著者の文章力はすごい!・・・だけど
情景が浮かぶ、志賀文学いつでも読みたい一冊。

